開業準備で、ホームページはいちばん後ろに回されます。
物件を決めて、内装の見積もりを取り、什器を選び、保健所に相談し、求人を出し、仕入れ先を回る。開業前の数か月は、この順で進みます。ホームページは、たいてい最後です。
後回しになる理由ははっきりしています。内装が仕上がらないと写真が撮れず、メニューが決まらないと価格が書けないからです。作りたくても材料がそろわない。これは順番として正しい面もあります。
ただ、全部を後ろに回すと、オープンの一週間前に慌てることになります。先にやれることと、そろうまで待つべきことを分けておけば、最後の一週間が静かになります。この記事は、その分け方の話です。
屋号が決まった日に、ドメインだけ先に押さえます。
サイトを作り始める前でも、これだけは動けます。店名が決まったら、その名前でURLが取れるかを確かめてください。
費用は大きくありません。料金は取得先と種類によって変わります。この段階で調べておくと、もう一つ分かることがあります。同じ店名の飲食店が、よその街に何軒あるか。多ければ、店名だけで探されたときに埋もれます。看板を発注する前なら、まだ名前を調整できます。
名義は、お店かオーナーご本人にしてください。制作を頼む相手の名義で取られていると、あとから頼む先を変えるときに、そのURLごと置いていくことになります。名刺、ショップカード、のれん、レシート。URLを刷るものは、開業前後に一気に増えます。
保健所の営業許可が下りるまで、営業時間は確定しません。
サイトに載せる情報のうち、いちばん動くのが営業時間です。そして営業時間は、営業許可が下りて初めて確定します。深夜に酒を出すなら、別に届出も要ります。
だから原稿の締切は、許可の日程から逆算します。許可が下りるまでは「◯月オープン予定」までにしておいて、日付が確定した時点で書き換える。これで足ります。オープン日が動いたときに直す場所を、最初から一か所に絞っておくということです。
もう一つ、原稿の締切を決めるのがメニューの確定です。試作が終わり、原価を計算し、価格が決まるまで料金の欄は書けません。逆に言えば、価格が決まった日が原稿を書き始められる日です。コースをやる店なら、品数・提供時間・飲み放題の有無・税込の総額まで決まってから書きます。ここが半端なまま公開すると、開いた人が予算を立てられません。
店内の写真は、什器と照明が入ってからしか撮れません。
撮影は、開業準備の中でいちばん日程を動かせない作業です。工事が終わり、テーブルと椅子が入り、照明が付き、食器が並んでから。つまりオープンの直前しかありません。
料理の写真も同じです。仕入れが始まらないと作れません。プレオープンや、身内を呼んだ試食の日に合わせて撮るのが現実的です。撮る場合の費用は、料理の点数と店内の広さによって3万円から8万円が目安です。東京23区内は出張費がかかりません。
最初から全部そろえなくて構いません。看板になる料理を数点と、店内の引きが一枚。焼肉なら、いちばん出したい部位が実物どおりに写っていること。上から蛍光灯の光で撮ると、同じ肉が安く写ります。ベーカリーなら、手に取ったときの大きさが伝わること。皿の横に何も置かずに撮った写真は、きれいでも買う判断には使えません。詳しくは写真の記事に書きました。
オープン前に要るページと、あとで足すページを分けます。
オープンの日に必要なものは、多くありません。
- 何の店か。業態と、いちばん出したいものが一行で分かること。
- 場所。駅からの道順と、目印になる建物。路面店でないなら、入口の写真を一枚。
- 営業時間と定休日。変則があるなら、その書き方まで。
- 予約と連絡の手段。タップで発信できる電話番号は最低限置きます。
- 主なメニューと価格。全品でなくて構いません。
逆に、オープン前に無理して作らなくていいものもあります。宴会のコース一覧は、開業した直後にはまだ動きません。お知らせの記事も、書くことが溜まってからで足ります。多言語のページ、持ち帰りや通販の入口、こだわりを長く語るページ。これらは店が回り始めてから、必要になった順に足すほうが良いものになります。開けてみないと、どの層が来るのかは分からないからです。
開業してからやっておくと後が楽なことも、一つ書いておきます。よく聞かれることを、その場で書き留めておくことです。駐車場はあるか。子ども連れで入れるか。何時までに入れば食べられるか。開けてから一か月で、同じ質問が繰り返し来ます。それを一つずつページに足していくと、電話で説明する回数が減っていきます。
オープン日から逆算した、目安の並びです。
- 屋号が決まったら、URLが取れるかを確かめて押さえる。
- 内装の図面が固まったら、何ページの構成にするかを決める。ここで総額が決まります。
- メニューと価格が確定したら、原稿を書き始める。
- 什器と照明が入ったら、店内と料理を撮る。
- 写真と原稿がそろってから、公開まで2週間ほど。
- 営業許可の日付が出たら、営業時間を確定の表記に書き換える。
- オープンの日に、地図に出ている情報とサイトの情報を突き合わせる。
逆算すると、撮影の日がオープンの二週間以上前にあると楽になります。工事の完了が読めない場合は、料理と外観を先に撮って、店内だけあとから足す形にもできます。順番を組み替えられるので、工事が押しても公開日が丸ごと後ろにずれることはありません。
うちの店のオープン日だと、いつから動くか。
店によって、動かせない日程が違います。工事が押している店もあれば、メニューが最後まで決まらない店もあります。居酒屋なら、開業してすぐ宴会の時期が来るかどうかで優先順位が変わります。カフェなら、焼き上がりの時間を出せる状態になっているかどうかが先です。
制作費は、トップページ1枚だけなら10万円(税込)から、7ページくらいの構成で25万円(税込)から。何を入れるかで決まり、構成を決めた時点で総額が決まります。修正は3回まで無料です。金額の決まり方と作りの例も見てください。
まだ物件を決めた段階でも構いません。30分の無料相談で、オープン日から逆算した日程をその場で並べます。オンラインで、費用はかかりません。その場で契約を求めることも、後日お電話することもありません。むしろ、決める前のほうが要らないものを買わずに済みます。
よくある質問
オープン前にサイトを公開しておく意味はありますか。
あります。工事中の看板やSNSを見た人が、店名で調べる時期だからです。そのときに何も出てこないと、開店を待っている人が場所も営業時間も確かめられません。オープン日が未定なら「◯月オープン予定」までで構いません。場所、業態、いちばん出したいもの、連絡先。この四つが出ていれば、開店前の一枚として役目を果たします。
開業して落ち着いてから作る、では遅いですか。
遅すぎるということはありません。ただ、開店直後は忙しく、原稿を書く時間も撮影の日程も取りにくくなります。写真については、内装が新しいうちに撮っておくほうが良いものになります。落ち着いてから作る場合でも、屋号のURLだけは先に押さえておくと、名刺やショップカードを刷り直さずに済みます。
写真は自分のスマホで撮ったものでも足りますか。
全部を撮り直す必要はありません。手元の写真で組める部分は組みます。撮り直す価値があるのは、看板になる数点です。焼肉の部位、コースの盛り合わせ、店内の引き。この数枚が実物どおりに写っていれば、残りは手元の写真で足ります。撮る場合の費用は、料理の点数と店内の広さによって3万円から8万円が目安です。
料金・納期・進め方など、記事に関係なくよく聞かれることは よくある質問 にまとめてあります。