手が離せない時間も、予約を受け取れます。
予約が逃げるのは、店がいちばん忙しい時間です。
電話が鳴っているのは分かっていた。でも、手が離せなかった。
飲食店の予約は、この一回で消えます。
閉店後に「今から行けますか」と思った人も同じです。電話がつながらなければ、その人は別の店に行きます。
やっかいなのは、逃げた予約が記録に残らないことです。売上にならなかったこと自体に、あとから気づけません。だからまず、自分の店がどこで逃がしているのかを、業態ごとに一つずつ見ていきます。
業態が違えば、逃げる場所も違います。
同じ飲食店でも、予約が消える瞬間は同じではありません。
居酒屋・宴会:コースの総額と人数条件が分からず電話が必要。営業中で電話に出られない。団体の可否が不明。幹事は電話をかける前に、何店かを並べて比べています。そこで条件が読めない店は、候補から静かに外れます。
焼肉・ステーキ:写真で肉の質が伝わらない。総額が読めない。平日の空席を案内できていない。週末だけ混んで平日が空くのは、平日に来られる人へ届いていないからです。
寿司・和食・割烹:おまかせの価格帯が不明。店内の様子が見えず入りにくい。個室の有無が分からない。接待や記念日で使えることが伝わらないまま、常連だけで回っている状態になります。
カフェ・ベーカリー:営業時間や定休日が最新でない。席数と混雑が読めない。持ち帰りの可否が不明。SNSで見つけてもらえても、この三つのどれかで足が止まります。
ラーメン・定食・食堂:地域名の検索で埋もれる。営業時間と混雑が分からない。メニューと価格が事前に見えない。券売機の店ほど、外から中身が見えません。
イタリアン・フレンチ:雰囲気が写真で伝わらない。コースの総額が読めない。記念日対応の可否が不明。記念日は日にちが決まっているので、その日に読めなければ他店で決まります。
バー・専門店:チャージや総額が分からない。店内の様子が見えない。営業時間が不明。初めての一人は、値段が読めない店の扉を開けません。
自分の店に当てはまる行が、たぶん一つはあったはずです。塞ぐ順番は、そこから決めます。
逃げ方は、二種類あります。
一つは、受け取れなかった予約です。手が離せない。営業時間外だった。連絡手段が電話しかなかった。行きたいと思ってもらえたのに、受け取る窓口がなかった場合です。
もう一つは、選ばれなかった予約です。総額が読めない。店の中が見えない。店のよさが伝わらない。窓口はあったのに、そこまで進んでもらえなかった場合です。
前者は仕組みで塞ぎます。後者は写真と言葉で塞ぎます。この記事は前者を中心に書きますが、後者にも最後に触れます。片方だけ直しても、もう片方から抜けていくからです。
① Web予約。閉店後の「今から行きたい」を受け取る。
24時間いつでも予約を受けられる窓口を、自分の店のサイトに置きます。
効くのは二つの時間帯です。ひとつは営業中。手が離せず、電話に出られない時間です。もうひとつは閉店後。店の電気が消えてから、スマホで店を探している人がいます。
この二つは、電話だけの受付では構造的に取れません。人手を増やしても取れません。窓口の形を変えるしかない部分です。
もう一点、グルメサイトを通さずに自分のサイトから入った予約には、送客手数料がかかりません。その分が、そのままお店に残ります。
② タップ電話。電話で決めたい人を、そのまま通す。
Web予約を入れても、電話をなくしてはいけません。
「今日の18時、4人、入れますか」を、文字で入力するより声で聞きたい人がいます。当日の急な予約ほどその傾向が出ます。
スマホからワンタップで発信できるボタンを、画面の下に常時出しておきます。番号を長押しでコピーして、電話アプリに貼り直す。この二手間で、かなりの人が止まります。
電話予約が主のお店でも構いません。むしろ電話が主だからこそ、タップ一回で鳴る状態にしておく価値があります。
③ LINE。予約のあとも、つながったままにする。
Web予約と電話は、その一回を受け取るための窓口です。LINEは、次の一回をつくるための窓口です。
サイトに友だち追加ボタンを置き、予約、クーポン、再来店のお知らせまで接続しておきます。予約が終わった時点で関係が切れる形にしません。
一度来た人に届けるほうが、まだ来ていない人に届けるより安く済みます。新メニュー、季節の入れ替え、臨時休業。この案内が届く相手が店の資産になります。
④ 無断キャンセル対策。空いた席を、そのままにしない。
窓口を増やすと、予約は受けやすくなります。同時に、来ない予約も受けやすくなります。ここを放っておくと、Web予約を入れたことが裏目に出ます。
やることは二つです。
一つは、キャンセルポリシーを予約画面に先に出すこと。何日前まで無料か、当日連絡なしの場合はどうなるか。事前決済やキャンセルポリシーの明示に対応します。席を空けたまま損をする回数を減らせます。
もう一つは、事前決済です。コースや宴会、記念日の予約など、席を長く押さえる予約ほど効きます。当日の会計も軽くなります。
全部の予約に付ける必要はありません。人数が多い予約と、コース予約だけに付ける形から始められます。
四つを、どう組み合わせるか。
四つとも同じ重さで入れる必要はありません。業態によって、先に効くものが違います。
居酒屋・宴会:Web予約と無断キャンセル対策を先に。人数と総額を先に読める形にしたうえで、団体の予約はキャンセルポリシーと事前決済で守ります。
焼肉・ステーキ:Web予約とLINE。平日の空いている時間をLINEで案内できる状態にしておくと、週末に寄った予約をならせます。
寿司・和食・割烹:Web予約とタップ電話。おまかせの価格帯と個室の有無を先に見せたうえで、細かい相談は電話で受けます。
カフェ・ベーカリー:タップ電話とLINE。席の予約より、営業時間と持ち帰りの確認が先に来る業態です。ケーキやパンの予約注文はLINEが向きます。
ラーメン・定食・食堂:タップ電話が中心です。予約より、地域名で見つかることと、営業時間とメニューが事前に読めることが先に効きます。
イタリアン・フレンチ:Web予約と無断キャンセル対策。記念日の予約は席を長く押さえるので、事前決済の相性がいい業態です。
バー・専門店:タップ電話とLINE。まず料金を先に見せて、初めての一人が入れる状態をつくるのが先です。
どれから入れるかは、いまの店の受け方で変わります。全部を一度に入れないほうが、費用も運用も軽く済みます。
いま使っている予約サービスは、そのまま使えます。
ここがいちばん心配される部分です。
「サイトに予約を付けると、いまの予約台帳と二重管理になるのではないか」
なりません。お使いの予約サービスと連携させて、予約の受け口だけを自分のサイト側に増やす形にします。台帳は一つのままです。
現場が見る画面が二つに増えると、どこかで取り違えが起きます。だから、増やすのは入口だけにします。
いま電話だけで受けている場合も、いきなり全部を切り替える必要はありません。まず一本、24時間受けられる道を足すところから始められます。
どのサービスをお使いかによって、つなぎ方は変わります。相談のときに、いまの受け方を教えてください。連携できるかどうかを、その場でお伝えします。
グルメサイトを、やめる必要はありません。
予約サイトからの予約には、そのたびに手数料がかかります。自分の店のサイトから入った予約には、かかりません。
だからといって、いきなり掲載をやめる話にはしません。やめれば、そのぶんの送客が消えます。
まず、直接入る道を一本つくります。そのうえで、直接予約の割合を少しずつ増やしていきます。両方を持っている状態がいちばん安全です。
減らすかどうかを考えるのは、直接入る道が動き始めてからで間に合います。
選ばれなかった予約は、写真と料金表で塞ぎます。
窓口を四つそろえても、そこまで進んでもらえなければ意味がありません。
コースと宴会プランは、人数、時間、飲み放題の有無、税込の総額まで書き切ります。幹事は電話をかける前に比べています。ここが曖昧な店は、比べられる前に外れます。
料金表は、値段より先に「何が出てくるか」が読める並びに直します。総額が読めない画面は、予約に進む前に閉じられます。
写真は、いちばん差が出るところです。料理も、店内も、スタッフの顔も、実物より安っぽく写っていることがほとんどです。何をどの角度で撮るかから、一緒に決めます。飲食店は写真で選ばれるからです。
カウンター、個室、座敷、テラス。どんな席があるかも写真で見せます。「どんな店か分からない」が消えると、初めての人が予約に進めます。
窓口を作っても、情報が古いと止まります。
予約の窓口は、正しい情報の上でしか動きません。
営業時間と定休日を、地図に出ている情報とサイトで一致させます。食い違っていると、それだけで来店を一つ失います。Googleビジネスプロフィールとサイトを同じ内容にそろえておきます。
最寄り駅からの道順、目印、駐車場の有無まで書きます。たどり着けないで消える来店も、予約を逃したのと同じです。
飲食店のサイトは、ほとんどがスマホから、しかも移動中に見られます。スマホでの見え方を基準に設計し、料理写真を多く載せても速く出るようにします。
臨時休業や季節メニューの差し替えは、公開後にご自身のスマホからできる形でお渡しします。その都度費用はかかりません。更新されている店は、それだけで営業していると分かって安心されます。
なお、検索の順位を約束することはできません。地域名と料理名で探されたときに、営業時間も価格も正しく出る状態にすることまでが、こちらでやれることです。
費用と、公開までの期間。
制作費は10万円〜50万円(税込)。構成によって決まります。
お出しした見積もりのまま、公開まで進みます。修正は3回まで無料です。
写真と原稿がそろっていれば2週間ほど。1ページだけなら最短3日が目安です。
グルメサイトのような月額の掲載料や、予約1件ごとの送客手数料はかかりません。
飲食店だけを作っているので、何が要るかをゼロから聞き出す時間がかかりません。省いているのは聞き出す時間で、設計は省きません。営業や間に立つ担当者を挟まないことも、そのまま値段と速さになっています。
先に答えておきます。
予約システムは今のものを使い続けられますか。
使えます。お使いの予約サービスと連携させて、二重管理にならないようにします。まだ電話だけの場合は、24時間受けられる形をご提案します。
四つ全部を入れないといけませんか。
必要ありません。業態と、いまの受け方によって、先に効くものから入れます。全部盛りにはせず、いま効くものから順番に並べます。
事前決済を入れると、お客様が予約をやめませんか。
全部の予約に付ける必要はありません。人数の多い予約とコース予約だけに付ける、といった形にできます。どこまで付けるかは相談のときに決めます。
公開したあと、自分で直せますか。
写真もメニューも価格も、スマホから差し替えられます。営業時間の変更や臨時休業のお知らせも、その都度費用はかかりません。
うちの店は、どこから塞げばいいか。
業態も、いまの受け方も、忙しい時間帯も店ごとに違います。だから、どこから塞ぐかも店ごとに変わります。
30分いただければ、いまのお店の受け方をうかがって、どこで逃げているか、どの順番で塞ぐか、いくらかかるかをその場でお伝えします。
まだ何も決まっていない状態からで大丈夫です。むしろ決める前のほうが、要らないものを買わずに済みます。
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