お客様が、店を人ではなくAIに聞くようになりました。
「今夜、この辺で個室のある居酒屋を教えて」。少し前まで検索窓に単語で打ち込んでいたことが、いまは文のままAIに投げられています。返ってくるのは十件の青いリンクではなく、三軒ほどの店名と、その理由です。この記事は、そこに自分の店の名前が出てこないと感じている飲食店の店主に向けて書いています。
先に一つだけ断っておきます。どのAIにどう出るかは、こちらでも約束できません。検索の順位と同じで、決めているのは店でも制作会社でもないからです。それでも、読まれる側でやれることははっきりしています。読める形で置いておく、それだけです。
AIが読んでいるのは、写真ではなく文字です。
ここが人の探し方といちばん違うところです。人は、まず写真を見ます。皿の照りや店内の明るさで、行くかどうかを半分決めます。AIはそれを見ません。読むのは文字です。看板料理の写真がどれだけよく撮れていても、そのページに「何が」「いくらで」「何名から」と書かれていなければ、AIにとってその料理は存在していないのと同じ扱いになります。
もう一つ、AIは一つの店のページだけを読んでいるわけではありません。店の名前で見つかる場所を横断して読み、内容が食い違っていれば、どれを採るかの判断がつかなくなります。ホームページの営業時間が22時まで、Googleビジネスプロフィールが23時まで、グルメサイトの掲載ページが21時半まで。三つ並んでいれば、その店の営業時間は「はっきりしない」という扱いになります。書いていないことより、食い違っていることのほうが厄介です。
だから、写真を強くする話と、AIに読まれる話は、別々に進めます。写真は来店を決める側に効き、文字は候補に挙がる側に効きます。写真の撮り方を直すのは前者、この記事の話は後者です。両方いります。
グルメサイトの情報だけが読まれていると、こうなります。
自分の店の名前をAIに聞いてみると、答えが返ってくることがあります。ただし、その中身をよく読むと、グルメサイトの掲載ページに書いてある文言そのままだった、ということが起きます。
これが厄介なのは、掲載ページの情報が止まりやすいからです。コースを二年前に組み替えていても、掲載時の内容が残っていれば、そちらが読まれます。宴会の上限人数も、飲み放題の分数も、当時のままです。店にとって最新ではない情報が、店の代表として引かれることになります。
もう一つ、掲載ページ経由で予約が入ると、その一件ごとに費用が発生する契約になっていることがあります。掲載をやめる話ではありません。グルメサイトとの付き合い方は別の記事にまとめました。ここで言いたいのは、自分の店の情報の出どころを、自分の側にも一つ持っておくということです。
読まれている店が書いていることは、だいたい同じです。
難しいことは書かれていません。共通しているのは、次の五つが一文ずつ言い切ってあることです。
- 営業時間。定休日、ラストオーダー、年末年始。「不定休」で止めず、どこを見れば分かるかまで書きます。
- コースの税込総額と品数。「4,000円〜」ではなく「全7品・飲み放題120分付き・税込4,500円」の形にします。上に幅のある書き方は、読む側が上限を想像して外します。
- 席。個室があるか、最大何名まで入れるか、貸切ができるか。カウンターだけならそう書きます。
- 住所とアクセス。最寄り駅と徒歩の分数、駐車場の有無。地図を貼るだけでは文字が足りません。
- 予約の窓口。電話だけなのか、Webでも受け取れるのか。受けられる時間帯も添えます。
この五つは、AIのためだけに書くものではありません。電話で毎日答えていることを、そのまま文字にするだけです。
構造化という言葉は難しいですが、やることは単純です。
「構造化されていないと引用されない」という言い方をします。要するに、人が読んで分かる文にしたうえで、機械にも同じ意味で渡す、ということです。店側でやることは三つに絞れます。
一つ目。見出しを、その節の答えにします。「メニュー」ではなく「宴会コースは全7品・税込4,500円からです」と書けば、見出しだけで答えになります。二つ目。よくある問いを一問一答の形で置きます。「何名まで入れますか」「持ち込みはできますか」。店で毎日聞かれていることが、そのまま材料です。三つ目。同じ内容をGoogleビジネスプロフィールと揃えます。営業時間が二か所でずれていると、どちらを信じるかの判断がつかず、両方とも弱くなります。
そのうえで、営業時間・住所・メニュー・料金を機械が読む形で埋め込みます。ここは制作の側の仕事です。店主が触る必要はありません。ただし、埋め込む中身が古ければ意味がないので、店の側で直せる形にしておくことがセットになります。年末年始の営業を自分で書き換えられない作りだと、機械に渡す情報も去年のまま残ります。
ページの速さも効きます。料理の写真を大きいまま何十枚も並べたページは、人にとっても開く前に閉じられますし、読み取る側にとっても最後まで届きません。写真を多く載せても速く出る形にしておく必要があります。
業態によって、聞かれ方がまるで違います。
同じ「読める形にする」でも、書く中身は業態で変わります。居酒屋なら、聞かれているのは人数と個室と飲み放題の分数です。幹事が上司に説明するために、文字で必要とします。寿司・和食なら、おまかせのみか、二部制か、前日までの予約が要るか。制約に見えますが、書いてあるほうが行ける店だと判断されます。
カフェ・ベーカリーは焼き上がりの時間です。「何時に行けば買えるか」が分からないと、来店そのものが起きません。バーならチャージの有無と一人で入れるかどうか。ラーメンなら、スープが無くなり次第終了する日があること。どれも、店では当たり前すぎて書き忘れる種類の情報です。
うちの店の情報が、いまどう読めるかを見ます。
まず、いまお店の情報がどこに、どんな状態で置かれているかを見せてください。ホームページがあればその画面を、無ければグルメサイトの掲載ページとGoogleビジネスプロフィールを見ます。どこが古いのか、どの一文が足りていないのかを、その場で切り分けます。
順位も引用も約束はしません。できるのは、店の最新の事実が、読める形で自分の側に置いてある状態を作ることです。制作費は、トップページ1枚だけなら10万円(税込)から、7ページくらいの構成で25万円(税込)から。何を作るかで決まります。写真と原稿がそろっていれば2週間ほどで公開できます。費用の決まり方は料金のページにまとめてあります。
相談は30分の無料相談で、オンラインです。その場で契約は求めませんし、後日の営業電話もしません。
よくある質問
ホームページを作れば、AIに店を紹介してもらえますか。
そこは約束できません。どのAIがどの店を挙げるかは、検索の順位と同じで店の側では決められないからです。できるのは、営業時間・コースの総額・席の条件・アクセスを、いつ読まれても正しい状態で自分の側に置いておくことです。読まれる材料が無い状態は、この先も変わりません。
グルメサイトに載せているので、情報はそちらで足りませんか。
掲載ページの情報は、掲載した時点で止まりやすいという弱点があります。コースを組み替えても、宴会の上限人数を変えても、そのままになっている店は多いです。掲載をやめる必要はありません。最新の事実が書いてある場所を、自分の側にも一つ持っておくという話です。
店主が自分で更新できる形にできますか。
できます。営業時間、今日の売り切れ、コースの改定。この三つは店の側で直せる形にしておきます。更新のたびに費用がかかる作りだと、結局そのままになって古い情報が残ります。粒度を細かくしすぎると続かないので、どこまでを自分で触る形にするかは相談のときに決めます。
料金・納期・進め方など、記事に関係なくよく聞かれることは よくある質問 にまとめてあります。