見積もりに出てこないのは、公開したあとのお金です。
ホームページの話をするとき、店主が最初に聞くのはたいてい「いくらで作れますか」です。ところが、あとになって効いてくるのは作るときの金額ではありません。公開したあとに、毎月・毎年出ていく額のほうです。
制作費を一度払えば終わりだと思っていたら、翌月から管理費の請求が届いた。担当者が代わってから、営業時間を一行直すのにも費用がかかるようになった。飲食店の店主から聞くのは、だいたいこの二つです。
この記事では、公開したあとに出ていくお金を種類ごとに分けます。実費として出るもの、契約によって出るもの、そしてホームページとは別の帳簿で毎月出ているもの。この三つを混ぜたまま合計だけを眺めていると、どこが重いのかが見えません。
毎年出ていくのは、ドメイン代とサーバー代の二つです。
誰がどう作っても、この二つは出ます。
- 独自ドメイン。店名の入ったURLのことです。料金は取得先と種類によって変わります。
- サーバー。サイトを置いておく場所の代金です。料金は契約先とプランによって変わります。
額としては大きくありません。ここで大事なのは金額ではなく、名義が誰になっているかです。制作を頼んだ相手の名義でドメインが取られていると、あとから頼む先を変えたくなったときに、そのURLごと置いていくことになります。店名の入ったURLは、のれんや看板と同じで店の資産です。契約の前に、誰の名義で取るのかを聞いてください。
もう一つ忘れやすいのが、更新の手続きです。ドメインは一年ごとに更新が要ります。請求の通知が制作会社にだけ届いていて、店の側が気づかないまま切れると、ある日サイトが開かなくなります。名刺やショップカードに刷ったURLも、その日から使えません。支払いに使うカードを変えたときにも同じことが起きます。更新の通知が誰のところに届くのかを、最初に決めておいてください。
月額の管理費は、何の代金なのかを聞いてください。
毎月かかる「管理費」「保守費」という名前の項目は、中身が契約ごとにまるで違います。同じ名前で、別のものを指しています。
- サーバー代とドメイン代の立て替え。実費に少し乗せているだけの場合。
- 更新の代行。営業時間やメニューを直す作業の分。
- 点検と復旧。中身を新しく保ち、壊れたときに直す分。
- 名目だけのもの。頼まなければ何もしない。
飲食店は、更新の回数が多い商売です。年末年始とお盆で営業時間が変わります。ラーメン店にはスープが無くなり次第終了の日があり、ベーカリーは焼き上がりの時間が季節で動きます。宴会のコースは、秋になれば差し替えます。
だから聞くべきなのは金額ではありません。回数と速さです。月に何回まで直せるのか。頼んでから何日で画面に反映されるのか。年末の二十九日に連絡して、その日のうちに営業時間が直るのか。ここが決まっていない契約は、いざというときに使えません。使えない月額は、そのまま毎月の損になります。
あわせて聞いておきたいのが、自分たちで直せる範囲です。営業時間の一行、今日のパン、スープ切れの告知。この程度を店の側で書き換えられる作りにしておくと、頼む回数そのものが減ります。逆に、どんな小さな変更でも依頼しないと動かせない作りだと、月額の外側で都度の費用が積み上がります。年間の額を押し上げているのは、たいていこの部分です。
グルメサイトのお金は、この表とは別枠で毎月出ています。
ホームページの費用を数えるとき、グルメサイトの請求は別の帳簿で見ている店がほとんどです。ただ、店の外へ出ていくお金という意味では、同じ列に並びます。
グルメサイトには二種類の費用があります。載せている限り毎月かかる掲載料と、そのサイトを通って予約が入るたびに件数または人数に応じてかかる送客手数料です。料率も課金の単位も契約によって違うので、ここでは数字を書きません。正しい数字は、手元の請求書に書いてあるものだけです。
今月の請求書を開いて、掲載料と送客手数料を別々の額として書き出してください。掲載料は毎月ほぼ同じですが、送客手数料は忙しい月ほど大きくなります。合計だけを見ていると、席を回した分だけ外へ出ていく額も増えている、という性質が見えません。この話はグルメサイトの手数料と直接予約の記事に細かく書きました。
写真の撮り直しは、毎年の費用ではありません。
撮影を毎年やる必要はありません。効くのは、メニューを大きく変えたときと、内装に手を入れたときです。逆に言えば、看板の一皿を差し替えたのに写真が前のままなら、そこは撮り直す価値があります。
撮影をこちらに頼む場合、料理の点数と店内の広さによって3万円から8万円が目安です。東京23区内なら出張費はかかりません。
そして、全部を撮り直す必要はありません。焼肉なら、いちばん出したい部位と、コースの盛り合わせ。ベーカリーなら、手に取ったときの大きさが分かる形で撮った代表の数点。この数枚が実物どおりに写っていれば、残りは手元の写真で組めます。写真の撮り方の記事も合わせて読んでください。
一年で出ていく額を、紙一枚に書き出します。
やることは単純です。次の項目を縦に並べて、年額に直します。
- ドメイン代。年に一度の支払い。
- サーバー代。月額を十二倍します。
- ホームページの管理費・保守費。月額を十二倍します。契約が無ければ0円です。
- 更新を都度頼んだときの費用。去年一年で何回頼み、いくらだったか。
- グルメサイトの掲載料。月額を十二倍します。
- グルメサイトの送客手数料。去年一年の合計。
- 撮影。やった年だけ。
この七行が並ぶと、どこが重いのかが一目で分かります。多くの店で、下の二行が上の全部より大きくなります。そのときに考えるのは、掲載をやめるかどうかではありません。自分の店のサイトから直接入る予約の割合を、少しずつ上げられるかどうかです。
うちの店だと、来年いくら出ていくか。
VOLTで作った場合、毎年出ていくのはドメイン代とサーバー代だけです。月額の管理費はいただきません。予約が一件入るごとの送客手数料もありません。制作費は、トップページ1枚だけなら10万円(税込)から、7ページくらいの構成で25万円(税込)から。何を入れるかで決まり、構成を決めた時点で総額が決まります。公開したあとの修正は3回まで無料で、4回目からは内容に応じて別途お見積もりします。金額の決まり方にも書いてあります。
いくら出ていっているのか分からない、という状態からで構いません。今月の請求書と、ホームページの契約書。この二つを手元に置いて30分の無料相談にお越しください。オンラインで、費用はかかりません。その場で契約を求めることも、後日お電話することもありません。来年の一年でいくら出ていく形になるのかを、その場で並べてお出しします。
よくある質問
いま契約している制作会社の月額を、下げてもらえますか。
まず契約書を出して、解約の申し出がいつまで必要かを確かめてください。多くの契約は、途中で内容だけを変えられます。そのうえで、月額に何が含まれているかを一項目ずつ聞きます。サーバー代とドメイン代の立て替えだけなら、実費に近づけてもらえることがあります。更新の代行が含まれているなら、去年一年で何回頼んだかと突き合わせます。
ドメインは自分で取ったほうがいいですか。
取得の作業を自分でやる必要はありません。大事なのは名義です。お店かオーナーご本人の名義になっていれば、誰が手続きをしても構いません。制作会社の名義になっていると、頼む先を変えるときにURLを持って出られず、名刺やのれんに刷ったURLが使えなくなります。契約の前に、名義と、更新の請求が誰に届くかを確かめてください。
サーバーが安いところに移せば、費用は下がりますか。
サーバー代は契約先とプランによりますが、移して浮く額は大きくありません。移すときには作り直しに近い手間がかかることもあります。年間の費用を減らしたいなら、まず管理費の中身と、グルメサイトの送客手数料を見てください。この二つのほうが、たいてい額が大きいところです。
料金・納期・進め方など、記事に関係なくよく聞かれることは よくある質問 にまとめてあります。