三社に聞くと、三社とも同じことを言います。
ホームページの相談を三社にすると、たいてい似た言葉が返ってきます。ヒアリングを大事にします、お店の魅力を引き出します、スマホ対応します、公開後もサポートします。全部そのとおりで、全部どの店にも当てはまります。だから比べる材料になりません。この記事は、比べられる材料をどう引き出すか、という話です。
確かめるところは七つです。業態の勘所を知っているか、打合せをいつやることになるか、公開後に自分で直せるか、ドメインと写真の名義は誰か、追加費用がどこで出てくるか、見積書の内訳がどこまで割れているか、納期を何から数えているか。どれも、店を開けながら進めるという飲食店の事情から出てきます。
先に一つ。VOLT自身も発注先の一つなので、ここに書いた七つは自分にも同じように向けてください。答えられない会社は避けたほうがいい、という基準として使えます。
飲食を分かっているかは、質問の中身で分かります。
作例の写真を見ても、飲食を分かっているかは判断できません。分かるのは、相手からどんな質問が飛んでくるかです。
宴会をやっている居酒屋なら、幹事がどうやって店を選んでいるかを聞いてくるかどうか。当日に一名減ったときの扱いを書くかどうかまで話が及ぶかどうか。カフェやベーカリーなら、焼き上がりの時間を聞いてくるかどうか。営業時間より先にそこを聞いてくる相手は、この業態で何がいちばん来店を左右するかを知っています。バーならチャージの有無と、一人客が多いかどうか。焼肉なら煙と匂いの話が出るかどうか。
逆に、ページ数と納期と料金の話しかしてこない相手は、業態の中身を調べるところから始めることになります。その調べる時間は、どこかで費用か日数に乗ります。
もう一つ、こちらから試せる質問があります。「うちの店で、いちばん最初に直したほうがいいのはどこだと思いますか」。これに具体で答えられる相手は、店を見ています。「全体的にリニューアルが必要ですね」で返ってくる場合は、まだ何も見ていません。
打合せを、何時にやることになるか。
発注してから最初に揉めるのは、たいてい制作の中身ではありません。いつ話すか、です。
制作会社の一日は、朝に始まって夕方に終わります。店の一日は、仕込みがあって、昼の営業があって、夕方からまた立ち上がります。18時に電話をもらっても出られません。21時にメールが来ても、読むのは翌日の昼です。この二つの時間割は、放っておくと噛み合いません。
だから、契約の前にここを決めます。打合せは14時から17時のアイドルタイム、または定休日。連絡は電話ではなく、手が空いたときに返せる形にする。この二つを先に伝えて、渋られるかどうかを見ます。
渋る相手が悪いわけではありません。ただ、その場合は打合せのたびに、こちらが仕込みを止めることになります。制作が二か月続けば、止まる回数もそれだけ増えます。オープン前の店なら工事の立ち会いと重なり、営業中の店なら発注や仕込みと重なります。
差がはっきり出るのは、金曜と土曜の夜、それから12月です。この時間帯に「今ちょっとお電話いいですか」と言ってくる相手は、飲食店の一週間を知りません。反対に、こちらが言う前に「金土の夜は避けます」「12月は確認事項を月初にまとめて出します」と言ってくる相手は、飲食店の仕事をしてきた相手です。
確認の返し方も、あわせて聞いておきます。デザインの確認は、いつまでに、どの手段で返せばいいのか。営業中にパソコンを開けない店なら、スマホで見て一行返せる形になっているかどうかで、進み方が変わります。
公開後に、自分で直せるかを聞きます。
飲食店の情報は動きます。年末年始の営業時間、季節のコース、値上げ、売り切れ。この頻度で動くものを自分で直せない作りにすると、いずれ更新が止まります。
聞き方は具体的にします。「更新できますか」ではなく、「営業時間の一行を、自分のスマホから今日中に直せますか」「今日のおすすめを一行足すのに、何分かかりますか」「メニューの金額を一つ変えるのに、費用はかかりますか」。この三つに即答できるかどうかで、公開後の実態が見えます。
直せるのが誰かも決めておきます。店主だけなのか、店長やホールの担当も触れるのか。店主が触れる形でも、店主が現場に出ている時間帯にしか直せないなら、実際には止まります。
そのうえで、更新の依頼が有料なら、一回いくらかを先に聞きます。無料と言われたら、どこまでが無料かを聞きます。文字の修正は無料でも、写真の差し替えは有料ということがあります。
ドメインと写真の名義は、店を移すときと譲るときに効きます。
名義の話は、開店してすぐの時期にはどうでもよく見えます。効いてくるのは、何年か経ってからです。飲食店だと、こういう場面で出てきます。
- 移転するとき。同じ屋号のまま場所だけ変えるなら、サイトは中身を直せば済みます。ドメインが制作会社の名義だと、まず移す手続きから始まります。
- 法人にするとき。個人でやっていた店を法人にすると、契約の名義を書き換える場面が出てきます。ドメイン、サーバー、予約サービス。誰の名義で契約されているかを知らないと、書き換えようがありません。
- 代を譲るとき。息子さんに継ぐ、店ごと譲る、社員に任せる。サイトと写真と、その管理画面の入り口が一式で渡せるかどうかで、引き継いだ側の手間が変わります。
- 畳むとき、業態を変えるとき。閉めるにしても、看板を替えるにしても、撮った料理写真は手元に残しておきたいものです。
そこで、契約の前に三つ聞いてください。
- 独自ドメインの契約者は誰の名義になるか。店の名義でないと、後から別の会社に頼むときに移す手続きが要ります。
- 撮影した写真を、サイト以外に使えるか。メニュー表、店頭の看板、テイクアウトの包材、SNS、グルメサイトの掲載ページ。ここを聞かずに進めて、後から使えないと分かる例があります。二号店を出すときにも効きます。一号店で撮った写真を二号店のページに使えないと、同じ料理をもう一度撮ることになります。
- 解約したら、原稿と写真とアクセスの記録は手元に残るか。残らない形だと、次に作り直すときにまたゼロからになります。
どれも、聞かれて嫌がる相手なら、その時点で判断がつきます。あわせて、解約するときにどうなるかも一度聞いておきます。何か月前に伝えるのか、途中でやめたときに費用がどうなるのか。始める前に終わり方を聞くのは失礼ではありません。答えられる相手のほうが、後で揉めません。
追加費用は、メニューが動いたときに出てきます。
「追加費用はかかりますか」と聞くと、たいてい「基本的にはかかりません」と返ってきます。この問いは、店で実際に起きることに置き換えて聞きます。
- グランドメニューを改定して、20品の名前と金額を入れ替える。これはいくらか。
- 夏のメニューや忘年会のコースを、期間だけ出して、終わったら下ろす。年に何回やって、いくらか。
- 仕入れが上がって、10品の金額だけを直す。これは無料の範囲に入るか。
- 台風で臨時休業する。当日の朝に、トップへ一行出せるか。出せるとしたら、出すのは誰か。
- ランチをやめる。ページを一枚消す、または一時的に隠す。
この五つは、店をやっていれば数年のうちに全部起きます。金額そのものより、聞いたときに即答できるかどうかを見ます。四つめを「営業時間内であれば対応します」と答える相手は、台風の朝に何が起きるかを考えていません。
ちなみにVOLTの場合は、修正は3回まで無料、4回目以降は内容に応じて別途お見積もりします。撮影を依頼する場合の費用は、料理の点数と店内の広さで決まります。決まり方は料金のページに出しています。
見積書は、撮影と予約のところで割れます。
三社の見積書を並べたとき、いちばん見るべきは合計の金額ではありません。内訳がどこまで割れているかです。そして飲食店の見積書は、割れ方の差が出る場所が決まっています。
- 撮影。料理を何点撮るか。店内と外観は入っているか。何時間、何日かかるか。出張費は別か。カメラマンが来るのか、店で撮った写真を使うのか。「撮影一式」の一行では、10点なのか30点なのかが読めません。ここが後から割れると、いちばん金額が動きます。
- メニューページの作り。全品を1ページに並べるのか、コースと単品とドリンクで分けるのか。あとから店側で品目を足せる形か、それとも画像を1枚貼ってあるだけか。画像1枚だと、価格を直すたびに作り直しになります。
- 予約。予約サービスへのリンクを置くだけなのか、サイトの中にフォームを持つのか。フォームなら、人数と日時と席の希望をどこまで受け取るか。申し込みの連絡がどこに届くのか。この行が一行もない見積書は、後から足すことになります。
- その他。インバウンドを取る店なら英語をどうするか。地図とアクセスをどこまで書くか。SNSの写真をトップに出すかどうか。
「ホームページ制作一式」で一行しかない見積書は、何が入っていて何が入っていないかが読めません。後から「それは別料金です」となる余地が残ります。逆に、ページごと機能ごとに割れている見積書は、要らないものを外す相談ができます。宴会のページを一枚足す、ワインのページは今回やめる、といった判断が、金額と一緒にできる形です。
もう一つ、毎月かかるものが書いてあるかを見ます。独自ドメイン代、サーバー代、予約サービスの利用料、保守の月額。グルメサイトに載せている店なら、そちらの掲載料と送客の手数料も並べてください。送客の手数料は、予約の件数または人数に応じてかかる形が多く、契約とプランで変わります。制作費だけを比べて決めると、月々の固定費で逆転することがあります。
納期は、開店日から逆算して数えます。
「約一か月」とだけ書いてある見積書は、そのままにしないでください。聞くのは二つです。何がそろったところから数えて一か月なのか。そして、こちらの動かせない日に間に合うのか。
飲食店には、動かせない日があります。
- 開店日。内装が終わって、検査が済んで、そこから逆算します。サイトが間に合わないと、開店の告知をSNSだけでやることになります。
- リニューアルオープンの日。改装して中身を変える場合、古いままのページが残っていると、来た人が前の店のつもりで来ます。
- 忘年会の予約が動き出す時期。宴会をやる店なら、コースの内容と金額が出ていないと、幹事が探している時期に間に合いません。
- ゴールデンウィークとお盆。営業時間が普段と変わる期間です。その告知を自分で出せる状態になっているかどうか。
逆算するときに時間がかかるのは、たいてい制作会社の作業ではありません。料理写真の撮影と、原稿の確認です。撮影は仕込みと営業の合間にしか入れられません。原稿の確認は、店主が読む時間を取らないと進みません。
だから、こう聞きます。「写真も原稿もまだ何もない状態から数えて、いつ公開できますか」。ここで日数が伸びる相手のほうが正直です。材料がそろってからの日数だけを答える相手とは、遅れたときに、どちらが遅らせたのかが分からなくなります。
あわせて、途中で止まったときの扱いも聞いておきます。繁忙期に入って、店側の確認が二週間止まったら、公開日はどうなるのか。飲食店の制作では、これは例外ではなく、よく起きることです。
うちの店だと、この七つをどう聞くか。
相見積もりを取る前に、いま聞かれていることをそのまま持ってきてもらっても構いません。他社からもらった提案書や見積書を見ながら、どこを聞き返せばいいか、何が抜けているかを一緒に見ます。VOLTに発注しない前提でも構いません。
VOLT自身の答えも先に書いておきます。制作費は、トップページ1枚だけなら10万円(税込)から、7ページくらいの構成で25万円(税込)から。何を作るかで決まります。構成を決めた時点で総額が決まります。打合せはアイドルタイムか定休日に合わせます。月額の管理費はなく、送客手数料もかかりません。検索の順位は約束しません。案件ごとに、その業態に強い担当が当たります。作りの例は制作サンプルにあります。
相談は30分の無料相談で、オンラインです。その場で契約は求めませんし、後日の営業電話もしません。飲食店のホームページ制作ガイドと無料ツールで作ると詰まるところも、判断の材料になります。
よくある質問
グルメサイトの営業から、無料でホームページを作れると言われました。制作会社に頼むのと、どちらがいいですか。
別のものとして比べてください。グルメサイト側で用意されるページは、掲載と予約の仕組みの一部です。作る手間はかかりませんが、ドメインと写真の扱い、載せられる項目、掲載をやめたときにページが残るかどうかが、その契約に沿って決まります。制作会社に頼む場合は、名義も中身も店側に置けますが、制作費がかかります。判断は、この記事の七つを両方に当ててください。特に、ドメインと写真の名義、公開後に自分で直せるか、やめたときに何が残るか。この三つで答えが分かれます。あわせて、送客の手数料も確認してください。予約の件数または人数に応じてかかる形が多く、契約とプランで変わります。
飲食店の作例をたくさん持っている会社を選べばいいですか。
作例の枚数より、相手から飛んでくる質問の中身を見てください。宴会をやっている店に幹事の選び方を聞いてくるか、ベーカリーに焼き上がりの時間を聞いてくるか。業態ごとの勘所を知っている相手は、そこから聞きます。ページ数と納期の話しかしてこない場合は、調べる工程が費用か日数に乗ります。
見積書のどこを見れば比べられますか。
合計ではなく内訳の粒度です。「制作一式」で一行しかない見積書は、何が入っていて何が入っていないかが読めません。ページごと機能ごとに割れていれば、要らないものを外す相談ができます。あわせて、毎月かかるものが書いてあるかも確認してください。制作費だけで比べると月々で逆転することがあります。
料金・納期・進め方など、記事に関係なくよく聞かれることは よくある質問 にまとめてあります。