ページを増やすほど良くなるわけではありません。
「何ページ必要ですか」と聞かれることがあります。答えは業態で変わりますが、先に一つ言っておきたいのは、増やせば増やすほど良くなるものではないということです。階層が深くなると、探している一行に届く前に閉じられます。
飲食店のサイトを開く人は、ほとんどが移動中のスマホです。時間をかけて読み込む相手ではありません。だから枚数の話より、どの一枚に何を置くかの話から始めます。この記事では、基本になる六枚と、業態で増える一枚を順に見ていきます。
トップページで決まるのは、候補に残るかどうかです。
トップページの役目は、店を全部説明することではありません。開いた人が「ここは自分が行っていい店か」を数秒で判断できることです。
最初の画面に置くのは、何の店かと、一人あたりの目安と、行ける時間です。宴会をやっている店なら人数の幅と総額を一行で。「4名から60名まで/飲み放題込み4,500円から」の形です。バーならチャージと一杯の目安。ベーカリーなら、営業時間より先に焼き上がりの時間です。この業態だけ、順番が入れ替わります。
雰囲気の写真は、その下です。写真で決めてもらうのは、候補に残ったあとの段階だからです。
スマホの画面では、最初に出る範囲が驚くほど狭いです。店名のロゴと大きな写真だけで一画面が終わってしまう作りは、判断に使える情報がゼロのまま指を動かさせていることになります。ここに一行入っているかどうかで、次の画面まで進むかが変わります。
コース・メニューのページは、文字を先に出します。
ここがいちばん読まれるページです。そして、いちばん写真だけになりがちなページでもあります。
コースを載せるなら、品数、時間、飲み放題の有無、税込の総額。この四つを表で並べます。写真は表の下です。理由は、読む人が誰かを考えると分かります。宴会の幹事は、上司や同僚に説明するために文字を必要としています。写真だけでは説明できません。
金額の書き方にも注意が要ります。「4,000円〜」と幅で終わる書き方は、上を想像されます。実際は6,000円かもしれない、と思われた時点で予算を立てている人の候補から外れます。確定の総額で書くほうが、結果として上のコースが選ばれることがあります。
単品のメニューは、一品ずつ写真を紐づけます。文字だけの一覧にすると、何が出てくるか読めません。写真の撮り方は別の記事にまとめました。
店内・席のページは、席の種類ごとに分けます。
店内の写真を十枚まとめて並べても、自分が座る席は伝わりません。分けます。
「6名までの半個室」「20名の座敷」「40名のフロア貸切」のように、人数の目安と写真を対にします。カウンターだけの店なら、席数を数字で書きます。八席なのか十二席なのか、この数字が店の性格をいちばん短く伝えます。
写真の撮り方も変わります。同じ席を明るく撮りすぎると、行ったときに違う店に見えます。暗い店なら暗いまま写すほうが、来た人の落差が出ません。
ここは、来店の可否そのものを左右します。四人で入れるか、子ども連れで大丈夫か、一人で入っていいか。丼の写真やコースの写真では分かりません。店内の引きの写真が一枚あるだけで、来られなかった層が来ます。
アクセス・予約・お知らせの三枚は、公開してから効きます。
この三枚は、作った直後より、半年後に差が出ます。
アクセスは、営業時間と同じ画面に置きます。「今からやっているか」と「どう行くか」は、同じ瞬間の問いだからです。最寄り駅と徒歩の分数、駐車場の有無、夜の入口の見え方。地図から近くまで来た人は、最後の十メートルで迷います。
予約は、電話とWebの両方を置きます。スマホの画面の下に固定して、指一本で発信できる位置にします。すでに使っている予約サービスがあれば、そのまま連携させます。予約の受け取り方は業態で変わるので、別の記事に整理しました。
この三枚は、凝った作りにする必要がありません。むしろ、開いてすぐ読めることのほうが大事です。地図を大きく貼るより、最寄り駅と徒歩の分数が文字で書いてあるほうが速く伝わります。
お知らせは、店主が自分で一行足せる形にします。年末年始の営業、今日の売り切れ、臨時休業。ここが自分で触れないと、いずれ更新が止まります。止まったサイトは、古い情報を配り続けます。
業態によって、増える一枚と減る一枚があります。
六枚は土台です。ここから業態ごとに調整します。
- 居酒屋は、宴会のページを独立させてトップの次に置きます。単品のメニューは店に着いてから見るもので、宴会を決める段階ではコースの中身と総額しか見られていないからです。
- カフェ・ベーカリーは、テイクアウトと通販のページを分けます。店に行けない人が買える手段があるなら、その人向けの入口を別に作ります。イートインとテイクアウトを混ぜて書くと、どちらの客も自分の話だと思えません。
- 寿司・和食は、お品書きと、こだわり・仕入れを分けます。仕入れのページは読む人が多くありませんが、読んだ人は迷わず予約します。価格の根拠がそこにあるからです。
- 焼肉は、肉のページを独立させます。部位、産地、等級。ここを読んで来る人は、単価を受け入れたうえで来ます。
- イタリアン・フレンチは、コースとワインを別のページにします。ワインで店を選ぶ人は、そのページだけを深く読むからです。
- ラーメン・定食は、逆に減らします。読む前に来る人が相手なので、階層を深くすると必要な情報に届きません。
うちの店だと、何枚あれば足りるか。
業態、席数、いま断っていること、いま説明に時間を取られていること。この四つを聞かせてもらえれば、何枚要るかと、どの順番で作るかをその場で切り分けます。全部を一度に作らず、先に効く二枚から始める形にすることもできます。
作りの例は制作サンプルで見られます。制作費は、トップページ1枚だけなら10万円(税込)から、7ページくらいの構成で25万円(税込)から。何を作るかで決まります。構成を決めた時点で総額が決まります。修正は3回まで無料です。写真と原稿がそろっていれば2週間ほどで公開できます。決まり方は料金のページに出しています。
相談は30分の無料相談で、オンラインです。その場で契約は求めませんし、後日の営業電話もしません。
よくある質問
ページは少ないほうがいいのですか、多いほうがいいのですか。
業態によります。宴会や記念日で使われる店は、読み込まれるので分けたほうが伝わります。ラーメン・定食のように読む前に来る店は、階層を深くすると必要な情報に届かないので減らします。枚数を先に決めるより、誰が何を確かめに来るかから決めるほうが失敗しません。
あとからページを増やせますか。
増やせます。先に効く数枚から始めて、テイクアウトを常設にした、宴会を強化した、といった変化に合わせて足す形にできます。追加が発生する場合の費用は、何を足すかで決まります。相談の段階で、いま作る分と後から足す分を分けて出しますので、そこで判断できます。
お知らせのページは、更新が止まりそうで不安です。
止まらない粒度にしておくのが先です。毎日書く前提にすると続きません。年末年始の営業、臨時休業、今日の売り切れ。この程度を一行足せる形にしておけば、仕込みの合間に更新できます。条件は、自分のスマホから直せることと、更新のたびに費用がかからないことの二つです。
料金・納期・進め方など、記事に関係なくよく聞かれることは よくある質問 にまとめてあります。