無料で作れる、は本当です。詰まるのは公開したあとです。
無料のホームページ作成サービスは、たしかに無料で公開まで行けます。開業前で手元にお金を残したい店主が、まずそこから始めるのは自然なことです。一枚だけの案内として使うなら、それで足ります。
問題が出るのは、店が回り始めてからです。宴会の問い合わせを受けたい。コースを入れ替えたい。予約を電話以外でも受けたい。このあたりで、テンプレートの側が先に限界を出します。
ここでは、飲食店に特有の詰まり方を五つ挙げます。業種を問わない一般論ではなく、飲食店で実際に手が止まる場所です。
コースと宴会が、テンプレートの枠に入りません。
無料のテンプレートは、たいてい「サービス紹介」「料金プラン」のような枠でできています。三つ並んだカードに、名前と金額と短い説明を入れる形です。
飲食店のコースは、この枠に入りません。幹事が比べているのは四つあります。品数、提供時間、飲み放題が付くかと何分か、そして税込の総額。この四つを縦に並べた表にしないと、比べられません。カードに「宴会コース 4,000円〜」と書いた時点で、上を見ると5,000円かもしれないと読まれ、候補から外れます。
イタリアン・フレンチだと、もう一つ増えます。ランチとディナーを同じ表に並べると、片方の価格でもう片方を判断されます。見出しから分ける必要があります。テンプレートの枠を無理に使うと、この分け方ができません。
席の見せ方も同じです。同じ20名でも、カウンター、テーブル、座敷では入り方が違います。人数ごとに写真を分けて出したいのに、用意されたギャラリーには一種類しか入らない、ということが起きます。
予約が、問い合わせフォーム止まりになります。
無料の範囲で置けるのは、たいてい名前とメールアドレスと自由記入欄だけのフォームです。これだと、宴会の問い合わせが来ても、その場では何も分かりません。人数も、日時も、希望のコースも、返信して聞き直すことになります。
飲食店で要るのは、先に受け取る形です。少人数の予約は確定まで受けて、宴会は人数・日時・希望コースを先に受け取り、詰めるのは電話で。これだけで、営業中の電話で最初から聞く手間がなくなります。
すでに予約サービスを使っている店だと、もう一つ問題が出ます。無料ツールの側と連携できず、二重に管理することになります。片方の枠が埋まったのに、もう片方が空いたまま残る。この事故は、宴会の日ほど痛みます。予約の受け方の記事に、この分け方を書きました。
電話番号も確かめてください。画像として置くと、タップしても発信できません。歩きながら開いている人は、その場で諦めます。
料理の写真が、勝手に切られて安っぽくなります。
テンプレートは、写真を決まった形に切ります。正方形に切られる、上下が落ちる、明るさが自動で変わる。料理の写真では、これが直に効きます。
焼肉なら、サシの部分が切れたり、圧縮で溶けたりします。肉の写真一枚で単価の説得が終わる業態なので、ここが崩れると同じ値段が高く見えます。ベーカリーなら、大きさが分かるように撮った写真を正方形に切られて、手がかりが消えます。寿司や割烹は逆で、余白を取りたいのに枠いっぱいまで拡大されます。
バーだと、明るく補正されるのが困ります。暗い店は暗いまま出したいのに、勝手に明るくされると、行ったときに違う店に見えます。
写真をどう出すかは、業態ごとに違う判断です。テンプレートは、その判断を持っていません。
更新の手間も、同じところで効いてきます。テンプレートの枠に無理やり入れた表は、コースを一つ差し替えるだけで並びが崩れます。秋にコースを入れ替える店なら、その作業が毎年来ます。崩れるのが分かっていると、店主はだんだん更新しなくなります。古いコースが残ったページは、無いより判断を誤らせます。
独自ドメインが使えないと、店名で探されたときに不利です。
無料の範囲だと、URLにサービスの名前が入ります。店名だけの短いURLにするには、たいてい有料の枠になります。
これは見た目の問題だけではありません。名刺、のれん、レシート、ショップカード、看板。店名の入っていないURLは、刷りにくいものです。刷ったあとに変えると、刷り直しになります。
独自ドメインの費用そのものは大きくありません。料金は取得先と種類によって変わります。先に取っておけば、あとで作り方を変えても同じURLを使い続けられます。逆に、サービスの名前が入ったURLで何年も運用してしまうと、移すときに刷り物ごとやり直しになります。
自分の店の画面に、よその広告が出ることがあります。
無料のサービスには、画面のどこかにそのサービスの表示や広告が出るものがあります。何が出るかを、店の側では選べません。
飲食店の場合、ここが他の業種より効きます。開いている人は、いま行く店を決めている途中だからです。その画面に別の飲食店の広告が出れば、そのまま持っていかれます。宴会の候補を比べている幹事が、社内に共有したURLで起きると、なお困ります。幹事は、開いた人が「ここでいいのか」と思う店を、次から使いません。
無料で足りる店と、足りなくなる店があります。
無料が悪いとは言いません。一枚の案内で足りる店はあります。開業前で、まだメニューも価格も動いている段階なら、仮の一枚を置いておくのは理にかなっています。バーのように予約を取らない業態でも、価格、席の形、営業時間、一人で入れるかどうか。この四つが読めれば、それだけで扉の前の足は止まりにくくなります。
足りなくなるのは、宴会やコースで売上が立つ店、予約を電話以外でも受けたい店、料理の写真で単価を説得している店です。この三つのどれかに当てはまるなら、無料のまま粘るより、先に作り替えるほうが早いことが多いです。
制作費は、トップページ1枚だけなら10万円(税込)から、7ページくらいの構成で25万円(税込)から。何を入れるかで決まり、構成を決めた時点で総額が決まります。月額の管理費はいただきません。予約が一件入るごとの送客手数料もありません。写真と原稿がそろっていれば2週間ほどで公開できます。金額の決まり方と作りの例も置いてあります。
いま無料で作ったサイトがある状態でも構いません。30分の無料相談で、そのまま使える部分と、作り替えたほうが早い部分を分けてお伝えします。オンラインで、費用はかかりません。その場で契約を求めることも、後日お電話することもありません。
よくある質問
いま無料で作ったサイトがあります。全部やり直しになりますか。
全部ではありません。原稿と写真は、そのまま持ってこられることが多いです。引き継げないのは、そのサービスの中でしか動かない部分と、サービス名の入ったURLです。URLが変わると、名刺やショップカードの刷り直しが出ます。作り替えるかどうかを決める前に、いまのURLをどこまで使い続けたいかを先に決めておくと、話が早く済みます。
テンプレートでも、飲食店向けのものを選べば足りませんか。
外側の見た目は近づきます。ただ、詰まるのは中身の並べ方です。コースを品数・時間・飲み放題・税込総額の四つで並べる。人数ごとに席の写真を分ける。ランチとディナーを見出しから分ける。この種の判断は、飲食店向けと書かれたテンプレートでも用意されていないことがほとんどです。足りるかどうかは、宴会とコースを扱うかどうかで分かれます。
有料プランに上げれば、独自ドメインも広告も解決しませんか。
その二つは解決します。残るのは、コースの並べ方、予約の受け取り方、写真の切られ方です。ここはプランの問題ではなく、テンプレートの作りの問題だからです。月額を払い続ける形になる点も、先に見ておいてください。年額に直して、作り替える場合と並べてみると判断しやすくなります。
料金・納期・進め方など、記事に関係なくよく聞かれることは よくある質問 にまとめてあります。